2019.04.04

一番伝えたいことは何?|Tips for a Successful Pitch

Open Network LabOnlab)では、「世界に通用するスタートアップの育成」をミッションに、Seed Accelerator Program20104月にスタートしました。

活動資金やオフィススペースなどの設備を提供すると共に、事業のブラッシュアップを目的としたコンテンツやスペシャリストによるメンタリングを通じて、これまで90社以上のスタートアップを支援・育成してきました。

Onlabではプログラム期間中、ピッチのレクチャーも行っています。スタートアップの皆さんの中には、ピッチが上手く行かずプロダクトの良さが伝わらないと悩んでいる方も多いかと思います。そこで、今回はピッチ資料の作り方についてご紹介します!

 

ピッチには3種類

スタートアップにおけるピッチには、下図の通り大きく分けて3つあり、OnlabDemoDayは、ピッチコンテスト部分に該当します。

※本ブログでは、ピッチコンテストに向けたピッチの仕方について紹介します。

 

 

  1. 伝えたいことは1つに絞る

伝えたいことはたくさんあるかもしれませんが、人の集中力はそんなに長く続きません。また、ピッチの途中から参加する人や別の作業をしながら聞く人も多いので、何個も要素を盛り込んでも、どんなサービスなのか印象に残りません。「自社は〇〇がイケてるから投資して!」の〇〇を決める必要があります。

では、どうやって1つに絞るのでしょう?資金調達という観点でVCは以下のようなポイントに注目しています。

  •       とにかく伸びているマーケットを攻めている
    何をするにしても成長しているマーケットを対象にすると自然に伸びます。ソーシャルゲーム、バイラルメディアなど過去に多数の事例が証明しています。
  •       競合がいる中でも絶対に勝てるサービス
    なぜあなたのサービスを使うのか、誰でも納得できるような強みの構築が大事です。
  •       経営陣がめちゃくちゃイケている
    とにかく大きな志を持ち、リスクをとって大きなことを成し遂げられるような経営者はとても魅力的です。

誰よりも目立つピッチをしてVCや業界関係者から直接話したいと思わせることが重要です。

 

  1. 構成とストーリーを決める

VCが注目するポイントとも重なりますが、ピッチは大きく分けるとこの4点で構成します。



次のストーリーを作り込みます。それぞれの要素のポイントを簡単に紹介します。

ユーザーが「お金を払ってでも解決すべき課題であるか」という点がとても重要です。ピッチでは、その課題の深さ・大きさを伝えるようにしましょう。しかしその際、回りくどい言い方は不要で、ダイレクトな解決手段を提示することが大切です。

プロダクトを説明する際は、優位性を明確にすることがポイントです。また、トラクションについては、The YC Seed Deck Templateにもありますように、明白な数字を出すと説得力が増します。例えば、「LP公開してわずか2週間で300社が登録」、「3ヶ月でUU300up」などです。
(具体例などとても参考になるので、ぜひご覧ください)

The YC Seed Deck Template

マーケットが小さ過ぎてはビジネスとして魅力が伝わりませんが、大きく見せようとするあまり、納得感のない定義にならないようにも注意しましょう。競合については、代替手段と比較してそのサービスを使う必然性を伝えましょう。 

例えば、医師のためのサービスを作るのに、その業界のことを全く知らない人が作っていたら「なぜあなたが?」と聞いている方は思ってしまいます。チームだからこそ成し遂げられること、どんなビジョンを持って取り組んでいくのかを明確にしましょう。

 

  1. AHA体験を盛り込む

話を聞いているVCに向けて、「あ!なるほど!」「え?そうなの?」と思われるようなことをピッチに盛り込むと、相手をより引き付けることができます。例えば、競合優位性であったり、シークレットソースであったり、自分だけが話せる手触り感のあるものがベストです。

 

  1. 1スライド1メッセージ

以上の内容を1015枚でストーリーを作ります。5分のピッチであれば、15枚を超えるような資料はNGです。ピッチは多くのスタートアップが出ているので、色々と話をしても覚えてもらえません。大切なのは、全てを伝えることではなく印象に残すことです!印象に残れば次のアポを設定できます。事業の詳細についてはVCとの個別MTGで伝えましょう。

 

最後に

ピッチ資料を作る上での8つのコツです。

Onlabでは下図のストーリーボードを使って構成を立てています。長い文章ではなく、一言で端的に埋めてみましょう。ちなみに、必ずしもこの順番という訳ではなく、例えば、医療分野のサービスでチームも医者で構成されている場合は、納得感を出すために、チームを1枚目で紹介するというパターンもあります。

また、過去のピッチ資料や、上手な人のピッチを見るだけでも学びはたくさんあるはずです。探すとたくさん出てきますので、色々な人のピッチを見ると良いと思います。

Startup Pitch Decks

Onlabの募集期間中にお手本として公開しているものも紹介しておきますので参考にしてみてください。


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